2021.06.15お知らせ

ベイシア 広報部探検隊がゆく!

ベイシア 広報部探検隊がゆく!
~「近大生まれのブリヒラ」の養殖現場を訪ねて~

当社広報部員が普段見ることのできない“生産の現場”に伺ってレポートする「ベイシア 広報部探検隊がゆく!」。今回は近畿大学水産研究所が開発したハイブリッド魚種「ブリヒラ」の養殖現場を訪ね、手塩にかけて丹念に「ブリヒラ」を育てる高知県の漁師さんたちの仕事の現場を探検します。

◆ブリヒラの故郷を訪ねて
伺った日は朝からあいにくの雨。天候だけならまだしも、取材場所はうねりを越えていかねばならない沖ノ島。いつもの乗り物酔いを心配しつつも、現場を体験したい一心で「ブリヒラ」の故郷に向かいました。
船の出港後うねりはどんどん大きくなり、遊園地のアトラクションのような傾きと水しぶきに。日ごろの行いを今さら悔やんでも遅かったのです。。。汗

※上空からの養殖場の写真は別日に撮影

 

◆近大生まれ、高知育ち
出荷までの育成を担当するのは、高知県沖ノ島に養殖生け簀を構える株式会社クロシオ水産。代表取締役の横井さんは漁師歴35年。ブリ、ヒラマサなど長年様々な魚種を養殖してきたプロ中のプロ。
緑豊かな沖ノ島から流れ出るプランクトンと、黒潮が流れ、太平洋のめぐみを豊富に受けることのできるこの漁場は、おいしい魚が育つ日本でも有数の漁場だと話してくれました。ブリヒラは豊富な栄養と養殖のプロの愛情を受けてすくすくと育っていました。


◆育ての親は優しい海の男たち
クロシオ水産はこれまでにブリ、ヒラマサ、マダイ、シマアジなど、様々な魚種を手掛けてきた豊富な知見を持つ養殖のエキスパート。
経験豊かな漁師たちは“どんな天候でもしっかりと漁場を守ること”を徹底しているといいます。多少のうねりや雨風は気にしない様はまさに“海の男”。そのごつごつとした手からおいしい魚が食卓へと送り出されるのです。
「お客さまにおいしい魚を届けたい」と語る優しい笑顔が印象的でした。

 

 

 

 

いかにも固そうなごつごつした手のひら

 

◆水産資源を守る「養殖」という選択肢
私は「天然」という言葉に目がありません。とにかく「天然もの」が好きでした。なぜかと言われれば確固たる説明はできませんが、その言葉には得も言われぬとても良い響きと誘惑があるのです。
今回、養殖の現場に伺って、その役割や使命を改めて考える機会をいただき、見方が180度変わりました。これまで信じてきたものを覆すような、まさにカルチャーショックです。

現在、世界の人口増加に伴う食料消費量は増加の一途をたどり、世界中で乱獲による漁獲量の減少や工業化による局地的な洋汚染など、水産資源の枯渇が懸念されています。
「養殖」は天然資源を消費することなく、一定の量と高い品質の魚を安定的に供給するという、現代の私たちにとってなくてはならない持続可能な食料供給の仕組みであることを、現場を見て初めて実感しました。特にこのブリヒラは近畿大学で必要な分を作った人工種苗。資源と環境を守っています。
地球上の資源には限りがあるのだから、私たち自身がしっかりと未来へつなぐ世界を創っていかなければならないと、微力ながら考える帰路となりました。

 

◆編集後記
取材の楽しみのひとつは「味見」。今回、初めて「ブリヒラ」を食しました。その味は旬のブリに似て強いうま味があるのですが、ブリヒラはブリよりも身が引き締まって歯ごたえがありとてもおいしかったです。まさにヒラマサとの“いいとこどり”じゃないですか!
今回はお刺身でいただきましたが脂もほどよく、次はお寿司で試してみたいと思います。