2021.08.04お知らせ

こだわりの生産者pick up! ~驚くほど大きくて硬い桃「おどろき」を栽培する桃農家さん~

こだわりの生産者pick up!
~驚くほど大きくて硬い桃「おどろき」を栽培する桃農家さん~

株式会社ベイシアのNews Letter「こだわりの生産者pick up!」では、生産方法や商品開発に関する取組み、そしてこれからの夢など、生産者の方々にその商品に込めた想いや具体的なこだわりポイントについてうかがいます。

驚くほど大きくて硬い品種の桃を生産する農家

今回、お話を伺ったのは、福島県伊達市で、驚くほど大きくて硬いという特徴が名前の由来となっている「おどろき」という品種の桃を栽培・出荷している「種まきうさぎ株式会社」の岡崎靖さん。

100年以上続く実家の農家の4代目を継いで桃の生産・出荷や加工品の開発・出荷を行っています。
当社は、約6年前に直売所で硬い桃が売れていると聞き、岡崎さんが生産している「おどろき」の仕入れをスタート。現在まで仕入れを拡大してきました。畑にいるのが楽しいと笑顔で語る生粋の農家さんです。

福島県の山の上にある桃農園

桃の名産地として名高い福島県。桃の収穫量は山梨県に次ぐ全国2位で、全国の収穫量の実に23%を占めています(2020年)。岡崎さんの農園は福島県の豊かな自然の中にあります。水害や霜害などで桃が被害を受けるリスクを避けるため小高い山の上に農園を構えています。「おどろき」の農園は桃の木が約250本、約3600坪の広さを誇り、あたり一帯が桃畑!取材に訪れた7月中旬過ぎは、まだ今年の収穫前の時期でしたが、きれいなピンク色の桃が実をつけていました。

 

お客様の声を受けて

福島県の桃と言えば甘くて柔らかい「あかつき」が有名どころ。この「おどろき」は昔からある品種の桃ですが、栽培している農家は少なく希少な品種。「桃に触ってみてください」と岡崎さん。手で触っただけでもその硬さが感じられるほどでリンゴのような硬さが特徴です。「硬い桃が好きな人が2割いれば2600万人の方に販売できる」と岡崎さんは話します。実際に直売所に持っていく硬い桃はよく売れるため、硬い桃好きが多いと実感しているようです。直売所ではお客様から直接声が聞けるのが良さ。“とにかく硬い桃が食べたい”“もっと硬くもっと硬く”との声に応えていたらどんどん硬い桃を卸すようになったそう。

デリケートな桃栽培

桃栽培は1つ1つの作業が非常にデリケート。剪定から始まり、3月中にはつぼみを落として花が咲く場所を調整する摘蕾(てきらい)を実施。栄養を全体に行き渡らせるために重要な作業ですが、力加減がとても難しいそう。その後は、花の咲く場所の具合を見て花を取ったり、形の良い実だけを残す作業を繰り返し行ったりと非常に細やか。収穫前の段階では、太陽光を反射させやすいアルミの白い反射板を使って桃の色を発色させていきます。
丁寧で繊細な手作業から桃への温かい愛情が伝わります。

 

栽培の心がけと醍醐味

桃栽培をするうえで、岡崎さんが気を付けているのが「観察」。暇さえあれば畑に足を運びます。桃の木、土、天気、気温など栽培に関する全てを観察することを大切にしています。
そうして手間暇かけて育てた桃をその年に初めて収穫するとき1番のやりがいを感じるそう。「40年経っても毎年最初の収穫は格別」と岡崎さん。1年に1回やってくるその瞬間は、まるで自分の子どもが生まれるような気持ちを感じるそうです。時には桃の出来栄えを見て後悔することもあるとか。岡崎さんの桃栽培への熱い想いを感じます。

 

「おどろき」を食べてみよう!

岡崎さんに「おどろき」を食べる際のポイントを伺いました。
・おいしい「おどろき」の見分け方
皮全体が真っ赤になった表面に白い斑点が入っているとおいしい頃合いです。
・おすすめの食べ方
お召し上がりの2時間程前に冷蔵庫に入れて冷やしておきます。皮をよく洗い、さらに皮の細かい毛を洗い落としてから、ぜひ皮ごとお召し上がりください!

 

探求心あふれるマーケター

岡崎さんはとても好奇心が旺盛です。「おどろき」の栽培以外にも、あんぽ柿の生産にも注力したり、「食べるラー油と柿の種」のような加工品を作ったり。どういう商品が売れているのかアンテナを張り、ニュース・新聞・レシピ動画なども活用して情報を仕入れ、次々に新しい商品を開発しています。自らマーケティングを行う“生産者兼商品開発者”の姿に取材陣一同、大変驚きました。
取材中には「この木は何でしょう?」と岡崎さんからのクイズ。趣味でアーモンドの木を育てているそう。「記事に載せて何の木か当たった方に1名様に桃プレゼント!」と無邪気に話す岡崎さん。
こだわりのおいしい桃の裏側にはこうして探求心あふれる温かい岡崎さんがいるんだなとしみじみ。
これからも岡崎さんからどんな「おどろき」が広がるのか楽しみにしています!

編集後記

取材陣が「おどろき」の桃の撮影に夢中になっている間に、岡崎さんはどちらかへお出かけ。
戻ってくると、なんと手にクワガタ。ただ残念そうな顔で、「今朝はミヤマクワガタがいたんだよ。」 今朝採ったのが事務所にいるからと、帰りに見せていただきました。
岡崎さんの人を喜ばせたいという優しさあふれる想いと、自然豊かな福島で夏を感じて帰路につきました。