2021.10.22お知らせ

こだわりの生産者pick up! ~甘いだけじゃない「幻のかぼちゃ」を栽培するかぼちゃ農家さん~

こだわりの生産者pick up!
~甘いだけじゃない「幻のかぼちゃ」を栽培するかぼちゃ農家さん~

株式会社ベイシアのNews Letter「こだわりの生産者pick up!」では、生産方法や商品開発に関する取組み、そしてこれからの夢など、生産者の方々にその商品に込めた想いや具体的なこだわりポイントについてうかがいます。

地元を愛する清水さん夫婦

今回、お話を伺ったのは、北海道有珠郡壮瞥(うすぐんそうべつ)町で、こだわりのかぼちゃを育てている「清水農園」の清水達雄さん。清水さんの第一声が、「まずこの土地をみてください。遠くに有珠山、その向こうには洞爺湖があります。有珠山は30年に1度噴火をするんですよ。そんな町でかぼちゃを育てています」と地元の町を紹介して頂きました。

自然豊かな大地がおいしい作物を育てる壮瞥町について

北海道の中央南西部、札幌市や新千歳空港から車で2時間の距離にある壮瞥町は、洞爺湖の東に位置する町。世界ジオパークに登録された洞爺湖・有珠山エリアにあります。洞爺湖の南に位置しているため、北海道の中でも冬場は暖かく、澄み渡る空気もおいしい、農作物を育てるのに適した地域と言えます。

清水農園を訪れた時は、雨が降ったりやんだりしていたため、有珠山とは反対方面に大きな虹がかかっていました。農園の直売所の反対側の道端には、暗いコロナ禍を少しでも明るくしたいという清水さんの温かい心遣いで、飾りかぼちゃが並べられていました。その奥に見えるのが有珠山です。

 

農業は毎年1年生。マニュアルなんてない。
だから大変、と同時にやりがいがある

おいしいかぼちゃづくりをすることで大事なことは、苗を育てること。鉢の苗を大事に育てて元気な状態で畑に植えることを心掛けています。そのため、苗が大きく育つための土づくりにこだわり、またかぼちゃの状態に合わせて肥料を追肥しています。除草剤は使わず、草取りは手で行っています。
肥料は、かぼちゃをつくる栄養分、味・大きさをつくる栄養分を使い分け、かぼちゃの状態を見極めながら足りていない栄養だけを与えます。その姿はまさに自分の子どもを育てているように見えました。「かぼちゃは暑い、寒い、お腹が空いたと言わないので、よく観察して気に掛けています。子どもを育てるより難しいし、奥が深い。だから面白い。自分の思ったように育って、おいしく収穫できたときや、お客様から『美味しかった、もっとたべたい』と言ってもらえることが次のかぼちゃづくりの原動力になります」と笑顔で語ってくれました。

おいしいかぼちゃを作るために

短い収穫時期で丹念に作業を行い、細心の注意を払いながら「風乾」を行います。「風乾」とは、収穫段階での水気をそのまま保持すると劣化が早いため、収穫したかぼちゃを風通しのよい場所で自然に乾かす工程のこと。収穫時、日が当たらずに育った面はオレンジ色ですが、風乾で置いておくうちにオレンジ色が徐々にグリーンに変わっていきます。それは「かぼちゃが生きているから」と清水さんはおっしゃいます。
清水さんのかぼちゃは、収穫時にひとつ一つタオルで拭いてから運んでいるためとても綺麗です。従業員のみなさんにかぼちゃを大事に扱おうという意識を持ってもらいたいからこその取り組みだそう。かぼちゃが汚れるのを避けるため、雨がふったら絶対に畑に入らない徹底ぶりです。
完熟の一歩手前の肌が黒くなってごつごつしてきた段階で収穫します。清水さんはかぼちゃのへたの部分を見て、食べごろを見極めることができます。へたが真っ白くなると食べごろだそうです。

甘いだけじゃないプラスαのあるかぼちゃ

かぼちゃの味をアップさせるためのプラスαは、清水さんのかぼちゃに対する愛情です。観察・診断をしながら畑の土を作り、タイミング良く追肥しながら育てあげるには、たゆまぬ努力が必要です。それもお客様においしく食べてもらいたい、おいしいと言ってもらいたいという、生産者としての想いが強いからなせるわざ。「幻のかぼちゃ」は清水さんの愛情がたくさん詰まったかぼちゃなのです。

 

今があるのは教えてくれた師匠のおかげ

清水さんは、人との巡りあいを大事にするお人柄。「人間一人では生きられない。自分で成ったと思って、恩を忘れてしまう人もいるが、自分は師匠がいたから今がある。農業だけでなく、人生を教わった。」原点をいつまでも忘れずに、こだわり続けている清水さん。さらには趣味にもこだわり。一級船舶を取って、洞爺湖で釣りをするのが趣味だそう。またドローンの免許も取得。ドローンを飛ばして広い畑の様子も上から観察しています。

 

これからの夢は

「65歳で定年と決めている。ダラダラしても仕方がない。何歳までに何をやって、と目標をもっていたい。」昨年、病気を患い、死ぬかもしれないと思ったときに、いろいろ考えた結果だそうです。
今は、基盤をしっかり作り、次の世代に託すことが目標。「俺の色の農業ではなく、自分の色の農業を作っていってほしい。」と終始笑顔で語ってくれました。

新しいことにチャレンジ

清水さんの農園では、若い方にも野菜を味わってもらいたいという想いから、トマトジュースやジェラートを販売しています。写真はかぼちゃのジェラートとシソのジェラート。