2021.11.24お知らせ

こだわりの生産者pick up! ~甘み&風味豊かなさつまいも「紅はるか」を栽培する農家さん~

こだわりの生産者pick up!
~甘み&風味豊かなさつまいも「紅はるか」を栽培する農家さん~

株式会社ベイシアのNews Letter「こだわりの生産者pick up!」では、生産方法や商品開発に関する取組み、そしてこれからの夢など、生産者の方々にその商品に込めた想いや具体的なこだわりポイントについてうかがいます。

干し芋&焼き芋で人気「紅はるか」を栽培

今回、お話を伺ったのは、茨城県小美玉市で、「紅はるか」という品種のさつまいもを栽培し、加工品の製造・販売を行っている「株式会社美野里ファーム」の関悠平さんとご家族の皆さん。
関さんの祖父の代から商売を続けており、さつまいもの栽培を手掛け始めたのはお父様の代から足かけ10年。干し芋の加工は30年行っています。
当社にはかねてより夏場の時期に、じゃがいもを納入していただいていました。現在では干し芋や当社で大人気の焼き芋の原料となる「紅はるか」を納入いただいています。仲が良く温かな笑顔が印象的な関さんご一家にお話を伺いました。

 

さつまいもの名産地 茨城県の農家さん

さつまいもの名産地として名高い茨城県。さつまいもの生産量は鹿児島県に次ぐ全国2位で、全国の生産量の実に26%を占めています(2020年)。さらに特産品の干し芋は生産量が日本一で、全国シェアは9割以上を誇ります。そんな茨城県にある関さんの農園では「紅はるか」という品種のさつまいもを栽培しています。「紅はるか」は、熱を加えたときの糖度が高いのが特徴。糖質の中でも麦芽糖をたっぷり含んでいるので甘みが強く、また後味はすっきりしていて、干し芋や焼き芋にしてもおいしい品種です。関さんの農園を訪れた日はあいにくの雨でしたが、しっとりと濡れたさつまいも畑の様子もまた風情がありました。

丹精込めてさつまいもを栽培

まずはさつまいも栽培のスタートとなる苗づくりからこだわります。「苗で8割決まる」と力を込めて語る関さん。一般的には種芋を使って栽培する農家が多い中、関さんは毎年きっちりと苗づくりから行い、ウイルスフリー苗という病気にかかりにくい苗を使っています。手間やコストはかかりますが、安定して品質の良いさつまいもが収穫できるそうで、出来を左右する重要なポイントです。肥料一つとってもそう。前年の収穫量からの反省を踏まえ、毎年調整をしながら作っています。「毎年、天候や状況が違うからこそ、同じことをやっていても同じにはできない」と話す関さんの表情から、さつまいも栽培への並々ならぬ熱い想いを感じます。
苗を植える作業もひと手間加えています。土に対してななめに穴を空けて植える「もぐら植え」を採用。さつまいもが横に向かって均等に成長していくので形の整ったさつまいもに育ちます。また上からビニールのマルチシートをかけて寒さや霜対策も。まるで赤ちゃんに接するように、さつまいもをかわいがり、大事に育てます。

甘さと風味の良さの秘訣

収穫したさつまいもは、一番保管に適した温度帯である13度に保った貯蔵庫で保管。さらに出荷のタイミングで徐々に温度帯を下げていくと糖度が増していくのだそう。
さらに関さんの農園の紅はるかは一般的に行われているキュアリング処理を行っていないのも大きな特徴。キュアリング処理とは、さつまいもをムロに入れて湿度を上げて保存し、表面の目に見えない傷をかさぶたのような状態にすることで糖度をあげる方法。そうした処理をあえて行わないことで、一般の同じ品種より果皮が薄い関さんのさつまいもは皮ごとおいしく食べることができます。
良いものを作るために努力を惜しまず、ひとつ一つの工程が丁寧だからこそ関さんのさつまいもは甘くて風味がよいのです!

人とのつながりを大切に

「輸入品は商流、国産は人と人、だからこそつながりが大切」と話す関さん。生産者や取引先など多くの“人”と関わる中では、いろんな方と話して楽しく仲良くすることを心がけているそう。契約している生産者にも同じ苗・肥料を渡して一緒にものづくりを行っているのだとか。お互いに高め合いながら構築してきたつながりと、「いいもの」を作って得る信頼とで、関さんのさつまいもや商品はたくさんの人の手に渡り愛されているのだと実感しました。

関さん一家直伝!~おすすめの貯蔵方法&おすすめの食べ方~

・おすすめの貯蔵方法
ご家庭の冷蔵庫保管だと扉の開け閉めにより温度変化が生じて温度帯が安定しないため、新聞紙にくるんで常温保管がおすすめです。
・おすすめの食べ方
何といっても焼き芋が一番おいしい!ふかし芋と糖度を比べるとその差は10度以上。さつまいものおいしさを一番堪能できます。また、さつまいもの皮を素揚げして食べるのもおすすめだそう。味付けしなくても塩気を感じられて焼酎のおつまみにも最適だそうです。

夢は“続ける”こと

農家も高齢化が最大の課題。一次産業を守りたいと話す関さん。「良いものを作り続けて安定した価格で取引できれば、他の農家さんや従業員に還元できる。続けるのは大変だけどこれがずっと続けばいい。末代がどこになるかわからないくらい続けば」と語る関さんのまなざしは未来を見据えていました。
持ち前のチャレンジ精神でとことんチャレンジし、毎年「あれをやってみよう!」とチャレンジの連続。紅はるかに挑んだのも大きなチャレンジでした。今後は品質を安定させたり畑を広げたりと、新たな目標も。関さんの熱のこもった力強い言葉に取材陣一同、感動いたしました。これからも関さんご家族の末代までの根の広がりに期待しています!

編集後記

栗の栽培・収穫も手掛けている関さんご一家。今年の栗の収穫時に、何と7つ子の栗を発見!通常は3つ程度が多く、7つ入りは大変珍しい栗で関さんたちも初めて見つけたそう。「幸福の7つ栗、この記事を見た方、拡散した方にはいいことがあるかもよ」と楽しそうにお話してくださいました。幸せのおすそわけをいただき、関さんご一家の温かさを感じながら帰路につきました。