クローズアップ!おいしいを届ける生産者
~黄色は完熟の証「樹熟シャインマスカット」を育てる農家さん~
株式会社ベイシアのNews Letter「クローズアップ!おいしいを届ける生産者」では、生産方法や商品開発に関する取組み、そしてこれからの夢など、生産者の方々にその商品に込めた想いや具体的なこだわりポイントについて伺います。
シャインマスカット作りのベテラン農家さん
今回、お話を伺ったのは長野県山ノ内町で巨峰とシャインマスカットを栽培している新井博一さん。
新井さんは元々養蚕業を営んでおり、その後はデラウェアやりんごなどを栽培。
そして13年前からシャインマスカットの栽培を始めました。
3年前に当社が「樹熟シャインマスカットを作ってほしい」と声をかけ、一昨年から本格的に納品をしていただいています。
美味しさの秘密は「樹熟」
シャインマスカットといえば青々としたきれいな黄緑色の印象がありませんか?実は熟した甘いシャインマスカットは黄色なんです。市場では黄色のシャインマスカットは評価が低く等級が下がってしまうため、完熟する前に収穫する農家さんが多いとか。
樹熟シャインマスカットは一般的な収穫時期よりもさらに2週間ほどさらに樹で成熟させることで、ワンランク上の香りと甘さを作り出すことができます。
つまり黄色が完熟の証!「『完熟』のハンコも作ったんだよ」と新井さんが取り出して見せてくださいました。
果物づくりに適した環境
新井さんの畑は標高510mの斜面にあります。標高の高さによる寒暖差が実をより甘くしてくれるんだとか。これ以上高い場所だと気温が低すぎて実の育ちが悪くなるんだそう。
また、適度な傾斜により西日がよく当たります。つまり、新井さんの畑は樹熟シャインマスカットの栽培に最適な環境です。
管理が行き届いた畑は“ 明るい”
「新井さんの畑は明るいんだよ」と同行してくれた市場の方が何度もおっしゃっていました。実際に畑を見てその明るさにびっくり。
明るい理由は、新井さんが葉と枝の管理をこまめに行っているから。葉にしっかりと光が当たることで糖度が高くなります。しかし枝を切りすぎると実が日焼けをしたり、糖度が上がりすぎて風味が飛んでしまうそう。畑の管理の難しさと、新井さんの経験から成せる技を感じました。
他にも葉を青々しく元気にするために有機肥料を使った土づくりや、葉面から直接栄養を与える葉面散布なども行っています。こうして毎年より美味しい商品を届けるために研究を重ねています。
良いものをつくるには手を入れなきゃだからね
栽培はほとんどが手作業。その中でセンスが問われる工程が「摘粒」です。つぼみの段階から間引きを行い、最終的には大体40粒になるように調整します。これにより房全体に栄養が行き届き、濃厚でハリのある実になります。また、見た目の美しさにも影響するため、「熟練の技をもっていてもきれいな房をつくるのは大変」と、摘粒の難しさを語ってくれました。
新井さんは品質の安定を重視しているので、あえて目の届く範囲でしか栽培をしていません。量を揃えるのが大変だけどやりがいだと語ってくれました。
本当に良いものをお客様に届けたい、新井さんのその想いとこだわりが伝わりました。
樹熟シャインマスカットの特徴と保存法
冷蔵庫の中で保管する場合は外気に触れないように新聞紙で包むとより日持ちします。でも一番はすぐ食べるのがオススメです!
農業にストイックな新井さん
「やっぱり違うよね、新井さんの樹熟シャインマスカットは。」と市場の方がおっしゃるように取材陣も新井さんの畑や樹熟シャインマスカットを見てそう感じました。それに対して「そんなことないよ」ととても謙虚な新井さん。今は長野県の新種の赤いシャインマスカット「クインルージュ」の栽培にも挑戦しています。現状に満足せず、常に挑戦し続ける姿勢が伝わりました。この時期しか楽しめない新井さんの樹熟シャインマスカットをぜひご賞味ください。