VISION[ ビジョン ]Vol.3

「For the Customers」
業績アップの出発点は
ベイシアの原点だった

株式会社ベイシア
取締役 副会長
橋本 浩英 (2022.07.04 就任)
前役職:代表取締役社長

社長業初のミッションは業績アップ

ベイシアの代表取締役社長に就任したのは2016年6月末。最大のミッションとして自分に課してきたのは業績を上げること。あたりまえのテーマですが、小売業のさらなる可能性を見つけ出すために徹底的に取り組みました。
現状を分析すると、さまざまな問題点が浮かび上がりました。たとえばロスを抑えるために商品をつくらなくなってしまっていたり、お客様に対して提供するものが「安さ」なのか「質」なのかそれとも「両方」なのかがあいまいになっていたり・・・。
現場社員のなかに「一番大切なのは本部の指示を守ること」という風潮が芽生えているという問題点もありました。
実は、これらの問題点は、一言で言うと創業理念である「『For the Customers』が徹底されていない」ということです。「For the Customers」を軸に改善方法を考えると、「ロスを恐れるよりもお客様が欲しいものがそろっている売場をつくる」「お客様が求める価格と質を実現する」「本部の指示よりもお客様の満足の方が大切」という答えが導き出されます。これこそが、業績を上げるカギだと思いました。
そこで私は、全店舗へ行き現場のスタッフに「『For the Customers』の徹底」を説いて回りました。そして、本部が変わることが必要でした。本部スタッフが店舗を巡回し、「For the Customers」の再徹底を店舗スタッフと「一緒にやろう」と行動することが、何より「鍵」であると確信していました。

「お客様のためにできること」を
みんなが考えられる会社に

社長に就任してすぐに店舗巡りをはじめ、現場が変わりはじめたのが7月。お客様に新しいベイシアが浸透するのにタイムラグがありましたが、9月からは効果が表れはじめ、12月以降は連続で前年以上の売上を達成。
年末年始の商戦では、過去の売上を破る好記録を打ち立てることができました。
結果が出ると、社員の意識もどんどんと変わっていきました。「お客様のためになることであれば、本部からもGOが出る」と考えて行動する社員が増え、スピード感もアップしていきました。「お客様のために何ができるのか、みんなで考えよう」という声が聞こえるようになってきたのは、心強い限りです。
この1年で確信したのは「For the Customers」の大切さです。「お客様のため」という共通意識を持つことは、ベイシアの成長にとても有効でした。
社員も「お客様のため」に働くときこそ、最も力を発揮できることを改めて実感しました。
現場スタッフが生き生き働く活気ある現場をお客様は敏感に感じ取ります。また、そういった現場づくりを実現するためにもお取引先との円滑なパートナーシップを大切にすることも欠かせません。これからも現場をベイシアの経営のバロメーターとして意識し、健全で力強い成長を目指していきます。

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